平成24年度における市の除染の取り組み
市では平成24年度に、国の「放射線量低減対策特別緊急事業費補助金」を利用し、主にお子さんが長時間過ごす
生活空間を中心に、除染に取り組んでまいりました。結果は以下の通りです。
主な除染実施施設の空間放射線量率の変化
空間放射線量率単位:1時間当たりマイクロシーベルト
施設名 | 除染作業前測定 | 除染作業後測定 | 低減率 | ||
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測定時期 | 平均空間放射線量率(毎時) | 測定時期 | 平均空間放射線量率(毎時) | ||
矢板小学校 | 平成24年7月 | 0.232 マイクロシーベルト | 平成25年2月 | 0.112 マイクロシーベルト | 51.70% |
東小学校 | 平成24年7月 | 0.226 マイクロシーベルト | 平成25年2月 | 0.123 マイクロシーベルト | 45.60% |
川崎小学校 | 平成24年7月 | 0.236 マイクロシーベルト | 平成25年2月 | 0.083 マイクロシーベルト | 64.80% |
西小学校 | 平成24年7月 | 0.205 マイクロシーベルト | 平成25年2月 | 0.172 マイクロシーベルト | 16.10% |
豊田小学校 | 平成24年7月 | 0.212 マイクロシーベルト | 平成25年2月 | 0.190 マイクロシーベルト | 10.40% |
泉小学校 | 平成24年6月 | 0.249 マイクロシーベルト | 平成24年11月 | 0.148 マイクロシーベルト | 40.60% |
矢板中学校 | 平成24年7月 | 0.200 マイクロシーベルト | 平成25年2月 | 0.165 マイクロシーベルト | auto.50% |
泉中学校 | 平成24年5月 | 0.285 マイクロシーベルト | 平成24年11月 | 0.170 マイクロシーベルト | 40.40% |
長峰公園 | 平成24年7月 | 0.254 マイクロシーベルト | 平成25年2月 | 0.181 マイクロシーベルト | 28.70% |
その他の除染を実施した施設
- 都市公園 12施設
- 農村公園 5施設
- 保育所など子ども福祉施設 7施設
- 八方ヶ原牧場など永年性牧草地 22施設
- 泉地区でお子さんが住む戸建住宅 123戸
より詳しい除染による空間放射線量率の変化は、下記PDFファイルをご覧ください。
除染の解説
空間放射線量率は、自然減衰や風雨による移動により、時間の経過とともに下がって行きます。
現在問題となっている放射性セシウムには、セシウム137とセシウム134があり、福島第一原子力発電所の事故ではほぼ
同数が放出されました。
このうちセシウム137は半減期が約30年であり、最初の30年が経過した時点で半分に、事故から60年後には25%になり
ます。セシウム134は半減期が約2年であり、最初の2年が経過した時点で半分に、事故から10年後には3.1%に減少します。
この時間の経過とともに減っていくことを、自然減衰と言います。
平成25年4月現在、事故から2年が経過したため、風雨などによる移動がなければ、セシウム137は約10%減少、セシウム
134は50%減少しているため、合計約30%の放射性セシウムが減少しています。
放射性物質は時間の経過とともに減っていきますが、減り方はだんだん緩やかになっていきます。また、元の量がとても
多ければ、その分減るまでに長い時間を要することとなります。
除染作業は、放射性物質を取り除き、量を減らすことで、その減少を早める効果があります。
特に周囲よりも高い空間線量となっている箇所(ホットスポット)を除染することが、もっとも効率の良い除染作業となりま
す。
除染とは、放射性物質を取り除き、集め、隔離することです。
放射性セシウムだけを取り除くことはほぼ不可能なので、通常はセシウムを含む汚泥を取り除きますが、セシウムの量に
対し土の量のほうがはるかに多いため、特にセシウムの濃度が高い汚泥を選んで取り除きます。
取り除いた汚泥は1箇所に集めますが、集めることで放射性セシウムの量が増え、その付近の空間放射線量率も高くなり
ます。
そのため、集める場所を人が近づかない所にする、フェンスなどで囲って近づけないようにする、埋めることで遮へいする
などといった隔離をします。
残念ながら、現在の技術では放射性物質そのものを消すことはできないので、除染後の集積した放射性セシウムは、自
然減衰を待つこととなります。