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猫の適正飼養について

印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 更新日:2022年8月5日更新 ページID:0023779

1 猫の分類

・猫を飼い主の有無で分類しています。
※「飼い主」とは、動物の所有者または占有者(飼養または保管する人)のことで、意思を持ってエサや水を継続的に与えて世話をしている人をいいます。

(1)飼い猫

 特定の飼い主に飼養されている猫のことで、その飼養環境によって、「内猫」と「外猫」に分類します。

ア 内猫(うちねこ)
 
 屋内のみで飼養されている猫のこと。内猫は、屋内のみで飼養されているため、糞尿などで近隣に迷惑をかけることがなく、交通事故や迷子の心配がないほか、猫同士のけんかによるケガや感染(猫エイズや猫白血病など)の危険性が低いので、健康で安全に暮らすことができます。
 また、猫を複数頭飼養する場合は、適正な飼養環境・頭数を維持するために、不妊去勢手術が重要です。
 国や県では、内猫として飼養することを推奨しております。

イ 外猫(そとねこ)
 
 屋外で生活する機会のある猫で、屋外のみで飼養されている猫や屋外に出ることもある猫のこと。外猫の場合、飼い主が気づかぬうちに糞尿などで近隣に迷惑をかけたり、交通事故や迷子、猫同士のけんかによるケガや感染の危険性が高くなるとともに、近隣の猫に対して病気の感染源となる可能性があることを飼い主は理解し、健康で安全に暮らすための配慮をする必要があります。
 また、屋外で飼い猫にエサやりをしている場合、飼い猫が食べ終わった後の片付けを行わなければ、飼い主のいない猫(野良猫)やカラスなどが集まり、近隣に対して迷惑をかけることになります。
 さらに、飼い猫に不妊去勢手術をしていなければ、新たに子猫が産まれる原因となり、結果、不幸な猫が増えてしまうことになります。

(2)飼い主のいない猫(野良猫)

 特定の飼い主が存在せず、屋外で生活する猫のこと。無責任な飼い主による「捨て猫」や「不妊去勢手術がされていない外猫」などに端を発して増えてしまったと考えられます。
 屋外で生活しているため、外猫と同様に交通事故や病気に感染する可能性が高く、比較的短命です。その多くが不妊去勢手術が施されていないため、新たな野良猫が持続的に産まれる原因となっています。
 また、一部の住民が継続的にエサやりや水やり等の世話をしていることがありますが、世話をしている人には所有または占有の意思がなく、近隣への迷惑に対する責任意識が希薄な傾向にあります。

 <注意>猫の分類の仕方などは、上記に限ったものではありません。

2 猫の習性

(1)社会生活

 一般的に単独で生活し、一定の広さの縄張りをもちます。縄張りには、寝たり食べたりするプライベートエリアと、狩猟の場であるハンティングエリアがあります。
 プライベートエリアに他の猫が侵入してくると、けんかになることもあります。
 ハンティングエリアは、他の猫との共有の場であり、顔見知りの猫同士は、けんかにはならない場合が多いようです。
 縄張りは、他の猫と重複することがありますが、同じ場所であっても時間的な住み分けなどをしています。猫の生活圏の広さは、食べ物の量と休憩場所の有無などによってきまるため、獲物が少なければ広い縄張りが必要になりますが、獲物が多ければ縄張りは狭くても十分なので、室内のみで飼養している内猫にとって問題になることはありません。
 また猫は高いところを好むため、立体的な空間で自由に運動ができるよう室内環境を工夫すれば、猫の室内飼養は十分可能です。

(2)行動範囲

 犬に比べて行動半径が小さく、外猫の場合は主に飼い主の家とその周辺の庭程度、内猫の場合は飼い主の家が行動範囲となります。
 また、メスや去勢されたオスの行動範囲は小規模で狭くなるといわれていますが、去勢していないオスは、移動距離が500m~1km(去勢済みなら250m~500m)あり、発情期には近くにメスがいないと、メスのいるところまで遠距離の移動をすることがあります。

(3)排泄

 花壇などの柔らかい砂や土に排泄することを好み、排泄後は土や砂などで排泄物を埋めて隠す習性があります。
 また、排泄場所を決める習性があるため、特定の場所に排泄するようしつけることができますが、清潔にしておかないと、汚れた砂などを嫌って他の場所で排泄してしまうことがあります。

(4)繁殖

 オスは、生後6ヶ月の頃から、特徴的な鳴き声やオス猫の三大問題行動といわれる放浪やけんか、尿を壁などに吹き付ける尿スプレーが著しくとなります。
 メスは、生後4~12ヶ月(早い個体では4ヶ月齢で妊娠が可能)の間に最初の発情があり、一般的な発情の頻度は年に3~4回、約3ヶ月間隔で約1週間続きます。
 猫は交尾によって排卵が起こるので、交尾をすれば高い確率で妊娠します。妊娠期間は約2ヶ月で、1回に3~8頭(平均5頭)の子猫を産みます。仮に、1頭のメス猫が年4回出産し、平均5頭の子猫を産んだ場合、1年間で20頭の子猫が増えることになります。
 また、産まれた子猫(メス猫)も早ければ4ヶ月で妊娠が可能になりますので、さらに次の世代の猫が産まれることになります。

(5)鳴き声

 子猫が母猫に甘えたり、訴えたりする鳴き声、母猫が子猫をよびよせたりする鳴き声、発情期の誘い合うような鳴き声など、猫同士のコミュニケーションの手段として使われているほか、警戒、威嚇、闘争の鳴き声などがあります。

(6)マーキング行動

 猫が汗や尿などを環境中に残す行動で、自分の存在を他の猫に知らせる意味を持ち、これにより縄張りを主張したり、交配相手を探したりすることができます。

ア 尿スプレー(尿マーキング)
 
 縄張りを主張する時や不安を感じた時などに尾を上げて柱などに尿を噴射する行動で、オスだけでなくメスでも行うことがあります。オスは去勢手術をすることで、この尿スプレーを抑制することができます。

イ 擦り付け
 
 顔や脇腹を擦り付ける行動で、人に対しては安心や親愛の情を示していると考えられており、猫同士で擦り付けるのはコミュニケーションのひとつとなります。

ウ つめとぎ

 猫に特徴的な行動で、常に伸びるつめを適当な間隔で研ぐだけではなく、生活圏につめ痕を残す視覚的マーキングと、足の裏から出る汗を残す匂いのマーキングを同時に行っています。

(7)グルーミング

 全身を舐めたり、前肢で顔を洗うような行動で、皮脂腺を刺激して毛に防水性を保たせることや、暑いときの体温調節など健康を保つための基本行動でもあります。
 過度なグルーミングは強いストレスを感じている可能性があり、不十分なグルーミングは病気等の異常がある可能性があります。

3 飼い猫の適正飼養

(1)これから猫を飼う人へ

 ペットを飼うということは、その一生について責任を持って面倒を見るということです。
 ペットは私たち人間と同じように命ある存在で、飼い始めたその日から、その命は飼い主にゆだねられます。猫は20歳以上長生きすることがあり、その間、飼い主の人生に進学や就職、結婚、転居など、様々な転機があるかもしれません。
 また、猫も意思と感情を持ち、必ずしも飼い主の思い通りにはならず、思わぬところで近隣に迷惑をかけてしまうかもしれません。それらの変化やトラブルも、すべて飼い主の責任です。
 飼い主には、命を預かる責任と、社会に対する責任の両方が必要になります。猫の生態や習性を理解し、最後まで責任を持って飼い続けることができるのか、よく考える必要があります。
 最期まで飼えないと思ったら、飼わないことを選択することも動物愛護の考え方です。

(2)猫を飼っている人へ

 猫が好きな人や嫌いな人、関心のある人やない人、様々な考えをもった人がいる社会において、「人と猫の共生する社会」を実現するためには、猫を飼っている一人ひとりが飼い主責任を果たすことが重要です。
 猫の飼い主は、「4S(エス)」(S1 飼養頭数のコントロール(不妊去勢手術)、S2 終生飼養、S3 所有者明示、S4 室内飼養)で適正飼養をしましょう。

4 飼い主のいない猫への係わり方とその責任

 飼い主のいない猫で問題になっている原因の多くに、地域内でゴミの管理が不十分な場合や「かわいそう」だからという理由で安易にエサだけ与えられている場合など、何らかの形で人との係わりがあると考えられます。
 その一方で、猫は「動物の愛護及び管理に関する法律」によって愛護動物とされており、みだりに殺したり傷つけたりすることは禁じられ、当市でも殺処分を目的とした捕獲、収容はしていません。

(1)地域の理解など

 飼い主のいない猫の問題を解決するためには、「猫」だけの問題ではなく、「地域の環境問題」としてとらえ、その地域の中でルールとマナーを決め、猫を好きな人も嫌いな人も納得しながら共生できる方法を話し合うことが大切です。
「猫」によるトラブルをなくし、将来的に飼い主のいない猫をなくしていくまでの過渡的な対策の一つに、飼い主のいない猫を地域で管理(不妊去勢、トイレ、エサなど)する方法もありますが、地域住民の理解と協力が必要となります。

(2)エサの管理

 エサがあると猫はどんどん増えていきます。まずは、地域の中で猫のエサ場になる場所がないかを確認してください。
 ゴミを出す曜日や時間を守り、ネットをかけて猫がゴミを荒らせないようにしたり、飼い猫のエサをとられないように管理することなどを徹底します。

(3)飼い主のいない猫の世話をする場合

 地域には、猫を好きな人、猫の行動で困っている人、特に問題と思っていない人など、様々な考え方の人がいます。飼い主のいない猫の世話をする場合は、地域住民の理解を得ることが不可欠です。
 自分では「かわいそう」だからという理由で安易にエサを与えても、周りの方からみれば、その人が飼い主です。エサを与えるのであれば、飼い主としての自覚と責任を持ってトイレの管理や不妊去勢手術など猫の管理をし、終生飼ってあげましょう。
 まずは、必ず不妊去勢手術をしましょう。手術を行わないまま猫にエサだけ与えていると、どんどん増えてしまい適切な管理もできなくなり、不幸な命を増やすばかりでなく、周辺住民の理解も得られなくなります。もちろんトイレも設置し管理も行いましょう。
 飼い主のいない猫は、交通事故や感染症の危険といつも隣り合わせです。「かわいそう」だけど飼えない場合は、無責任にエサを与えるのではなく、できるだけ新しい飼い主を探すようにしましょう。